がんのトランスレーショナルリサーチに取り組む元外科医。補完代替医療の科学的検証にも奮闘中。癌患者のために、日々、臨床に研究に勤しんでおります。
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「NHK 追跡!A to Z」を振り返る
2010年03月21日 (日) | 編集 |
3月20日(土)夜10時から
NHK総合にて放送された「追跡!A to Z」

どう向き合う? がん“代替療法”

放送当日は、自分の姿がテレビに映ったことから
ドキドキ緊張しまくりでした(汗)

で、一日経過したことで、もう一度
冷静に番組を振り返ってみて
個人的な意見を述べてみたいと思います。

番組の主な流れとしては...

1.代替療法の問題点を提示
2.問題点解決に向けての対策や取り組み

だったと思います。

具体的には、番組の前半では、
「情報の信頼性」「悪質業者」
を問題点として取り上げていました。

【情報の信頼性(問題提起)】
代替医療を利用していたという
患者さんの家族への取材を通して
「口コミ」や「インターネット」情報の
危険性を視聴者に訴えています。
(その一方で、怪しいものばかりではなく
 企業努力で科学的検証を行っている
 取り組みも紹介されていました。)

【悪質業者(問題提起)】
薬事法違反などで摘発された事例の紹介。
健康食品販売にかかわっていたとされる人物の証言。

で、その問題点の解決に向けての対策や取り組みはというと

【情報の信頼性(対策・取り組み)】
警視庁のサイバーパトロールを紹介。
また、スタジオで解説を行った東北大学の坪野吉孝先生から
「体験談だけ」→ △(信用してはダメ!)
「動物実験だけ」→ △(信用してはダメ!)
重要なのは、臨床試験が複数行われて有効性が証明されていること!
とのコメント。

なぜ、体験談だけではダメなのか、
私のブログも参照にしてみてください。
情報の信頼性:経験談・権威者の意見(1)
情報の信頼性:経験談・権威者の意見(2)
情報の信頼性:経験談・権威者の意見(3)

動物実験だけはだめな理由は、今後
私のブログでも解説しようと思います。

【悪質業者(対策・取り組み)】
取り締まりの実態について紹介。
警視庁の方のコメントも紹介。

ここまでが前半の内容だったとおもいます。
視聴者としては、「代替医療」は
怪しい、怖い、高額、危険などと
ネガティブな印象を強く持たれたと思います。
私自身もそう感じました。
映像の力はさすがです。
ですが、スタジオで解説を行った坪野先生からは

通常医療(西洋医学)に取って代わる「代替医療」は
現時点では有効性は何一つ証明されていないが

通常医療(西洋医学)を補う「代替医療(補完医療)」は
鍼灸やマッサージなどで一部有効性が証明されている

とコメントすることでバランスをとっていました。

ただ、もしかすると、ネガティブな印象ばかりを
もたれた方が多いかもしれません。

通常医療(西洋医学)を補う「代替医療(補完医療)」については、
有効性が証明されているものもあるということが、私のブログでも
注意点も含め紹介しているので、お時間のある方は読んでみてください。
(全部で12回分あります)

番組後半の主なテーマは、
「科学的検証」「コミュニケーション」
だったと思います。

【科学的検証(問題提起)】
スタジオの坪野先生のコメントにもあった通り
ある治療法が有効であるかどうかは、代替医療も含め
ヒトでの臨床試験が行われているかどうかが重要。
だが、現時点は、代替医療においては
臨床試験で有効性が証明されているものは少ない。

【コミュニケーション(問題提起)】
代替療法利用患者の6割は医師に相談していない。

これは、私がディレクターの方に
お渡しした資料を使ってくれたと
思った瞬間でした。
このテーマを取り上げてくれたことが
本当に嬉しかったです。

なお、細かい話をすると、これまでに
以下のような調査結果があります(参考文献1)。

代替医療の利用について主治医に相談したか?
 した    39.3%
 しなかった 60.7%
(↑番組中で使ったデータはコレ!↑)

代替医療の利用について主治医から質問があったか?
 あった   15.5%
 なかった  84.5%

代替医療の有効性や副作用について十分な情報を得られていたか?
 得られていた    42.7%
 得られていなかった 57.3%

つまり、患者さんの多くは、正確な情報を得ることなく
主治医に黙って代替医療を利用しているという実態があります。

で、その対策や取り組みとして...

【科学的検証(対策・取り組み)】
厚生労働省に設置された統合医療(=代替医療)の
これからの取り組みを検討するプロジェクトチームの紹介
→足立信也厚生労働政務官(民主党)から
 科学的検証の推進を示唆するコメントあり

厚生労働省がん研究助成金研究班の紹介
(補足:研究班は、上記プロジェクトチームとは
    直接的には関係はありません。)

研究班の取り組みの紹介映像が流れたとき
私、大野が、一瞬、映りました!
テレビを見ながら、心拍数が急上昇しました(汗)

あ、話がそれました...
すみません m(__)m

【コミュニケーション(対策・取り組み)】
埼玉医科大学国際医療センターに通院中の患者さん。
抗癌剤治療を拒否して、一時期代替医療のみを
行っていたことがあるとのこと。
その原因として、患者の不安、悩み、恐怖などに対して
きちんとコミュニケーションが取られていなかった
点に注目し、精神腫瘍科の協力を得ながら
現在は抗癌剤治療を行っていることを紹介。

今後は、患者さんの心理的な側面について
(代替医療を利用してしまう患者の心理についても)
医師がきちんとコミュニケーションをとって
いくことの重要性を番組のキャスターの方が
シメの言葉として訴える。

ここは、私が取材を受けたとき、
ディレクターの方に、番組で取り上げて欲しいと
強くお願いした点でした。
(今思えば、図々しいお願いでした。
 ディレクターの矢倉さん、ごめんなさい。)

患者さんが、医師に代替医療のことを相談したとき、
医師がとっている対応は、これまでの調査で、
「無視する」か「頭ごなしに否定する」かの
どちらかが多いということが分かっています。

ただ、これでは、代替医療の問題は解決されておらず、
患者さんの不安、そこへ付け入る悪徳業者の暗躍など、
実態は、さらに闇へ闇へと潜っていってしまいます。


これは、非常に危険だと個人的には常々感じていました。
代替医療の利用について、コミュニケーションを
とることの重要性は、このブログでも紹介した
統合腫瘍学会ガイドライン」でも記載があります。

この番組を通じて、医師を含め医療従事者と患者さんとの間で
代替医療の利用についてコミュニケーションがとられていくことを
強く、強く願っています。

これは、私自身が代替医療を
推奨しているということでは
決してありません


代替医療に関するコミュニケーションをとることで
患者さんの心理的な悩みを少しでも理解し、
患者さんの気持ちに寄り添うことでそれを解消し、
本来受けるべき治療を受けずに
代替医療だけに頼ってしまうような状況は
絶対に避けなければならない


そういう意味でとらえて頂けたらと思います。

なお、今回の番組とは直接関係ありませんが
日本医師会は、代替医療(統合医療)や
厚労省に設置されたプロジェクトチームに対して
反対の立場をとっているようです。

う~む。。。

道のりはまだまだ遠いのかな...。

最後になりましたが、この番組にかかわらせて頂き
わがままとも思える要望をお聞き頂いたNHKの
矢倉真理子様(ディレクター)、池田誠一様(記者)に
改めてお礼申し上げます。
(番組最後のテロップで、お名前が流れていたので
 実名を挙げてお礼させて頂きます!)

再びこのようなテーマを、もっと掘り下げて
番組で取り上げて頂けたら嬉しいです。

ものすごい長文になってしまいました。

ここまで読んでくださった読者の方にも感謝致します。

<参考文献>
1.Hyodo et al. Nationwide survey on complementary and alternative medicine in cancer patients in Japan.J Clin Oncol. 2005 Apr 20;23(12):2645-54

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NHK 追跡!A to Z
2010年03月20日 (土) | 編集 |
本日、3月20日(土)午後10時からNHK総合にて

「追跡! A to Z」という番組で

「がんの代替医療」

が取り上げられます!

【番組ホームページ】
http://www.nhk.or.jp/tsuiseki/

私も取材を何回か受けました。
資料もいくつか提供しました。

でも、自分が映るかどうかはわかりません...。

というわけで、本日は、
わずかな瞬間も逃さないように
テレビ鑑賞致します。

ブログの更新は、明日致します。

このページを読んでくださっている方も
是非、この番組をご覧になってください。



【追記】

テレビ鑑賞、終了しました。

チラッと2回映りました!!!

自分の姿がテレビに映るってドキドキしますね。
緊張して疲れたので、今日は早めに寝ます。

おやすみなさい Zzz